1)退職金としての受け取りで、個人の所得税を軽減
退職金の優遇税制により、低い税率で手取り額アップ!
退職金は長期にわたる会社への貢献の対価であるという観点から有利な税制となっています。退職所得は他の所得と合算しない分離課税。在任年数に応じた退職金控除。更に、控除後の課税対象額を半分にできる1/2課税。つまり、実質税率で換算しても最高で25%、控除の分だけ更に税率が低くなるわけです。
それに対して、役員報酬は1800万円を超えると50%(所得税40%・住民税10%)が課税されてしまいます。また役員報酬は、定期同額給与・事前確定届出給与・利益連動給与に該当しない場合、損金不算入となり法人税が課税されるため、個人と法人をあわせた税負担が大きくなります。
役員報酬の増額や役員賞与を支給するよりも、退職金として受け取ることで手取り額のアップが図れるわけです。
2)支払保険料の損金算入で、法人税を節税
保険料の一部または全部が損金だから法人税の節税メリット
役員退職金の準備に中退金などの制度はありません。役員退職金の積み立てとして内部留保する場合は損金処理できません。つまり、内部留保では課税されていき、支給時には高額の損金が発生することになり単年度の業績を圧迫することになります。
保険は会社の経営を守るという役割から税制上、資産形成の機能を持ちながら損金で処理できるという優遇をされています。生命保険を活用することで保険料の全部または一部を損金で毎年処理していくと同時に、簿外に保険の解約返戻金という形で退職金の積み立てができるのです。損金の分だけ法人税が減ることとなり、節税メリットが享受できます。
ご勇退時には、生命保険を解約をすると現金が会社に雑収入として戻ってきますので、退職金支給時の業況圧迫も避けることができるというわけです。
3)簿外資金だから、他の用途への転用を抑止
簿外での準備なので独立性確保!(保険会社からの融資の担保にもなります)
内部留保など簿内の流動資産で準備している場合は、課税されていることも問題ですが、それ以上に運転資金の不足や緊急に資金を必要とした場合に事業資金として支出されてしまうということがあります。
簿外に生命保険で準備することで、役員保障+退職金原資として独立したものとなるので他に資金用途されにくくなります。緊急時には生命保険会社から保険を担保に借り入れ(契約者貸付)もできます。
4)退職金支給年度の収支の悪化を防止
退職金支給年度に、運転資金の圧迫や赤字決算となるリスクを回避!
役員退職金は高額となるので、会社の資金の不足や支給した年に赤字をまねくなどの可能性があり、本来のしかるべく額を受け取りにくい(支給しにくい)状況となるかもしれません。会社にマイナスがないよう退職金を気持ちよく支給してもらえるプランが必要です。そのプランで有効なのが生命保険による準備となります。
雑収入分で支給を受けることで当年度の利益に影響はなく、同時に資産計上していた分が現金となり運転資金に余裕ができることとなるわけです。